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2020.03.23|CEOコラム

配偶者の語源~CEOコラム[もっと光を]vol.8

 以前、このコラムで「会計」や「税」の語源についてお話ししましたが、私達が日頃の業務の中で何気なく使っている日常用語についても、その由来が気になるものがあります。例年ですと既に確定申告業務は終えているはずのところ、今年は申告期限が延長されたこともあって、スタッフの諸君が今日もバタバタと仕事をしてくれていますが、確定申告では必ず「配偶者控除」という用語に遭遇します。配偶者とは、もちろん夫や妻のことであり、夫婦の一方から見た他方のことをいうのですが、なぜ「配偶者」というのでしょうか。

 筆者としては、自分自身の経験から「たまたま偶然、自分に配られた相手」なので、「配偶者」なのだろうぐらいに軽く考えていました。何しろ、今の女房と出会ったのは、お互いの適齢期にそういう機会があっただけのことであり、時期が違えば異なる女性と巡り会っていたはずなので、偶然以外の何物でもない、いわば天の配材程度に思っていたのです。

 しかし、語源についてはちゃんと調べてみるものですね。配偶者の「配」には、「添いあわせる、組み合わせる」という意味があります。例えば、配合、配列、配色といったように、バランスを取って組み合わせるという趣旨で用いられています。一方、「偶」には、「たまたま、思いがけず」という意味に加えて、「対になる」、「二つ並んだ」という意味があるそうです。例えば、2で割り切れる整数を偶数というのも由来を同じくする一例とのことです。つまり、配偶者とは、「添い合わせた二人」ということなのです。

 配偶者の話題になったところで、嫡出とか庶出という用語も気になります。広辞苑を引くと、嫡出とは「法律上有効な婚姻をした夫婦間の出生」とあり、その対語・反義語として庶出が説明されています。「嫡」の意味は、文字通り「正妻、本妻」のことですから「嫡出」は法律用語として用いられていますが、実は「庶出」は民法の条文には登場しません。条文では、「嫡出でない」という表現を用いて、いわゆる妾腹を意味する「庶」の文字を使うことを避けているのです。条文作成にあたって、立法担当者が気を遣ったのだろうと推測します。
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