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スタッフコラム

2017.07.11|経営

資金繰り改善!今からでも間に合う原因究明と改善のための具体的な方法

会社を経営していると、経理担当者から「社長!月末支払のお金が足りません!」なんて言われたケースはありませんか?その場合、資金繰りの管理が行えていない可能性があります。

資金繰りを改善するためにはどのような方法があるのでしょうか?

資金繰り悪化の原因を究明することが重要であることは言うまでもありませんが、今からでも間に合う具体的な方法について紹介します。

1.資金繰り悪化の原因は?

資金繰りの悪化にはいくつかの原因があります。それぞれの原因に対して、チェックする方法がありますので、まずはリスク回避のため、ひとつずつチェックしていきましょう。

 

運転資金の増加

運転資金=売上債権+棚卸資産-支払債務

運転資金は上記の式で算出できます。つまり、売掛金や受取手形などの売上債権と在庫が増加し、買掛金や支払手形などの支払債務が少なくなると運転資金が必要になります。売上高の増加に伴って増加しているのであれば特に問題はありません。しかし、必要な現金も増加することには変わりないので何らかの方法で資金を調達せねばなりません。

 

収入と支出のズレ

収入<支出

一時的な先行仕入による支出や入金の遅れなどによる資金繰りの悪化は、原因が明確であり改善可能な場合が多いです。しかし、常に支出が収入を上回っている状態が続いているのであれば会社としては緊急事態です。

 

入金サイトと支払サイトのバランス悪化

売上債権 回収期間>支払債務 支払期限 売上債権の入金サイトが長期化し、支払債務の支払サイトが短縮化することによって入出金期間のバランスが崩れ、資金繰りが悪化します。

入金サイトの拡大は主に取引先の信用状況の悪化や自社の交渉力が弱いことが想定され、支払サイトの短縮は自社の信用不安が生じていることが懸念されます。

 

過大な設備投資による借入返済額の設定

設備資金 年間返済金額>年間の返済原資

会社の業績や世間の景気が良い時に需要を過大に見積もり、設備投資をしすぎることがあります。その後、業績や景気が落ち込み、一気に資金繰りが悪化することがあります。

 

この場合、設備資金について年間の返済原資よりも借入返済額が多く設定されている場合が大半です。

2.資金繰りを改善する具体的な方法

自社の資金繰り悪化の原因をつきとめることができれば、自ずと対策が見えてきます。前述のチェック方法に沿って改善策を見ていきましょう。

 

 

運転資金が増加している場合

運転資金は売上債権と棚卸資産から支払債務を除いた額になります。この場合、売上債権と棚卸資産をできる限り減らし、支払債務をできる限り増やすことで必要運転資金を減らすことができます。だからといって売上を意図的に減らしたり、在庫を捨てたり、支払手形をむやみに発行すれば良いということでは有りません。

 

ここでやるべきことは、大きく3つ。

  • 売上債権の早期回収を営業担当者に徹底し、販売先からの回収状況をチェックすること。
  • 長期にわたって滞留している在庫がある場合、いつか売れると保管したままにせず、すぐに現金化すること。
  • 仕入の支払をできるだけ延ばし、手元に現金をとどめておくこと。

 

 

収入と支出にズレがある場合

すぐに経費の見直しを行い、ムダな費用を無くしていくことが必要です。見直す時の基準は、費用対効果が高いかどうかで判断して下さい。

現在の会社がおかれている業績や市場動向によって判断基準は変化しますが、ここで検討すべきことは、大きく2つ。

 

  • 支払日や引き落とし日を変更すること。
  • それでも厳しいのなら費用支出自体を取りやめること。

 

 

入金サイトと支払サイトのバランスが悪化している場合

運転資金が増加している場合でも述べましたが、資金繰りを改善するためには徹底的に回収期間を短くし、支払期限を延ばす交渉をすべきです。

特に仕入先や外注先から「社長の会社は支払が早くてしかも現金だから助かるよ」なんて言われている場合は今すぐ支払条件の交渉を始めて下さい。

資金繰りを楽にするためには、有利な回収条件と支払条件を相手と取り付けなくてはなりません。どちらも相手があることですので、現在の信用力や今後の印象も含め慎重に行う必要があります。

 

 

過大な設備投資により返済原資が足りていない場合

返済能力を超えた借入金の返済がある場合、金融機関に対して借入金の返済条件の交渉を行ってください。リスケジュールと言われる金融機関への毎月返済額の減額や返済元金を据え置き、利息だけ支払う方法を依頼します。

リスケジュールを行えば毎月返済額を減額することができるため資金繰りは改善します。ただし、金融機関と交渉するにあたっては、リスケジュール後の経営状態を説明する必要がありますので、基本的には改善計画が必要となります。

3.(まとめ)根本的に資金繰りを見直す

資金繰りを改善する方法をいくつか紹介しましたが、根本的に改善させるのであれば、資金繰り表の作成を行い、原因を究明する必要があります。

 

急ぎの場合は「入金はできるだけ早く、支払いはできるだけ遅く」を実践することですが、根本的に資金繰りを改善する場合は、「利益を増やして収入の増加を加速する」「費用を抑えて支出を抑制する」ことも考える必要があります。

 

また、売上が増加している状況であれば金融機関から融資を受けるのも一つの方法です。

 

何からしていけば分からない、そういうお悩みを持っておられる経営者の方はたくさんいらっしゃいます。

 

ここで上げたのは対策の一部に過ぎません。また会社の置かれている状況によっても取るべき方法やそのスピード感も変わってきます。

 

もし、資金繰りのことでお困り事があれば、まずは一度ご相談下さい。

※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。

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