1.シェアリングエコノミーとは
最近よく聞くシェアリングエコノミー。結構身近に浸透してきています。
弊社の本部がある京都市でも、2024年4月からライドシェアが開始されました。大通りをライドシェアの車が走行しているその脇をuber eatsやシェアサイクルがすり抜けていくなんていうのが日常のワンシーンになりつつあります。そういったものを見るとシェアリングエコノミ-が浸透したなぁと感じます。
シェアリングエコノミーとは、簡単に言うと、インターネットを介して個人と個人・企業等との間で活用可能な資産(場所・モノ・スキル等)をシェア(売買・貸し借り)することで生まれる新しい経済の形です。
具体的には以下のようなものです。
例えば、絵を描くスキルがあるのに暇を持て余している人がいたとしましょう。
一方でお店のチラシを作るのに絵を描きたいけど、忙しくて描く時間がないとか、絵を描くのが下手な人がいたとします。普通であれば、この両者は出会うことがないですが、ネットを通じてマッチングして取引が成立する、というものです。
プラットフォームを通じてマッチングするというのがポイントで、スマホの普及率が97%と言われる、今だからこそ生まれた新しいビジネスモデルだと言えるでしょう。
2.シェアリングエコノミーの分類
シェアリングエコノミーには、大きく5つに分類されます。
1.空間のシェア
空いている不動産の空間をシェアするもので、民泊やホテルの空室検索予約システムがこれにあたります。
2.モノのシェア
一度買ったけどもういらなくなった服や小物をフリマアプリで取引するといったものがこれにあたるでしょう。
3.移動のシェア
普段は所有することなく、街中で必要な時に、相乗りしたり、シェアカーでライドシェア、シェアリングサイクルを利用するものです。
4.スキルのシェア
ネットを介して誰かに自分ができないことをお願いしてやってもらうサービスで子育て中の主婦などが小間切れ時間を活用できると言われています。
5.お金のシェア
自分の代わりにやりたいことを実現してくれる人や応援したいと思う人にお金を支払うサービス、クラウドファンディングは有名ですね。
https://www.caa.go.jp/notice/assets/future_caa_cms201_211001_02.pdf
3.シェリングエコノミーのメリット、デメリット
シェアリングエコノミーのメリットとしては、以下が挙げられます。
・基本プラットフォーム事業者を介したサービスになるので、個人間の取引の場合、決済面で安心できます。
・スマホやPC等netを介したサービス利用なので、サービスを利用する側は、必要な時に、いつでも、低コストで取引できます。
・サービス提供者は、顧客とマッチングするのにプラットフォームを利用し、既に自分が所有している資産を活用して収入を得るので、初期投資コストがかからずにビジネスをスタートできます(uber eatsは自転車とスマホがあればできる)。
デメリットや課題としては以下が挙げられます。
・シェアリングエコノミーは新しいサービスなので、事業者向けの保険や補償制度の整備が追いついておらず、既存の保険が適用されなかったり、トラブルに遭った際に補償が受けられなかったりする場合があります。
・保険同様、新しいサービスであるがゆえに法律の整備が追いついておらず、グレーゾーンの事業やサービスも多く展開しているのが、シェアリングサービスの現状です。ギグワーカー(シェアリングエコノミーにおけるサービス提供者)の申告漏れも問題になっています。
今後、法整備が進められ、きちんとしたルールが作られることが期待されています。
・提供者と利用者、また利用者同士が全くの他人であるため、利用方法、提供方法の質に差があり、トラブルとなる可能性があります。それを防ぐため、利用者、提供者双方をスコアリングし、スコアを可視化することも検討されています(中国ではスコアリングが進んでいる)が、政府による個人の監視に繋がるのではという懸念もあります。
4.まとめ
シェアリングの利用を企業の視点で見るとまた違った見え方があります。
今、会社の多くが人材不足に悩み、採用市場は、人材の取り合いとなっています。特に中小企業では、提示する賃金の額をこれまでより大幅に高く設定しても、応募がないといった有様で、その傾向は今後もしばらく継続されると予想されます。
そこで、注目を集めているのが、在宅ワーカーの活用です。
コロナに散々振り回されてきたここ数年ですが、
一方で、コロナ禍に多くの企業がリモートワークを経験し、既存業務の中には在宅で十分対応できる部分もあることを経験しました。
その経験があるので、一部のバックオフィス系の業務や定型業務を外部の在宅ワーカーに担ってもらい、プロパー人材をより付加価値を生みやすい業務に振り向けるといったことがこれまで以上に起こっています。
このように在宅ワーカーという外部の力を活用するシェアリングエコノミーが、企業の既存事業にイノベーションを起こすきっかけを作っていると言えます。
人員不足でお悩みの企業様は、シェアリングエコノミーを活用して、低コストで外部の力を活用して、生産性を向上させることはできないか、一度ご検討されてみるというのはいかがでしょうか?
(文責:大津事務所 北村)
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