1.利用者が押さえるポイント
まず利用者はスマホなどのアプリを使い配車します。料金は事前確定性で運賃はタクシーと同じ水準です。
車両の前面には”ライドシェア”と掲示されていますが、一般の車と見分けがつきにくいかもしれません。
運行時間はタクシーの供給が需要の90%を満たしていない時間帯になります。
東京の場合は平日の7-10時台など細かく時間が定められている他、 運行台数も時間帯により決められています。
2.運営者とドライバーの条件について
現状のライドシェアはタクシー会社管理のもとで運営されています。
日本交通では面接後、実技を含めた10時間の研修を受講したうえでドライバーとして採用しています。
運転前にはアルコールチェックと遠隔点呼を毎回行います。
ドライバーになるための条件のひとつをご紹介しますと、働けるのは本業を含めて週40時間以内です。
このため、フルタイムで働いている人はドライバーになれません。
過労死の観点からこのように定められており、誰でもできるとは言えません。
車両にも条件があり、安全面を考慮して衝突防止ブレーキがついた車両登録が10年以内の車になります。
3ヶ月に1回整備士による車の点検、1年に1回車検を受ける必要があります。
ドライバーの収入は一例を挙げますと、時給と歩合制になっており、一定の売上を上げると歩合給が加算されます。
売上が時間あたり3000円を超えると超えた分の6割が歩合としてプラスされます。
3.今後の動向
初日、日本交通では営業可能な4時間で50台が稼働し、300組の乗車があったようです。
4月からこのサービスが求められた地域は以下のようになっております。
・東京:東京23区・武蔵野市・三鷹市
・神奈川:横浜市・川崎市など
・愛知県:名古屋市・瀬戸市など
・京都府:京都市・宇治市など
また、5月からは新たに8つの地域でもサービスの開始が認められています。
・札幌交通圏:札幌市など
・仙台市
・埼玉県の”県南中央交通圏”:さいたま市など
・千葉交通圏:千葉市など
・大阪市域交通圏:大阪市など
・神戸市域交通圏:神戸市など
・広島交通圏;広島市など
・福岡交通圏:福岡市など
4.終わりに
私は現役のタクシードライバーと海外でライドシェアを利用した方にこの新しいサービスについて伺うことができました。
64歳でダンプの運転手からタクシードライバーへ転職された76歳のドライバーさんは、一番大変なのは理不尽なことを言う顧客対応で、気軽に稼げるイメージだけでは務まらないと答えてくれました。
一方、タイのライドシェアを利用した顧問先の社長さん(40代建設業)は、スマホ1つで知らない土地でも簡単に安心して移動できるのは魅力であるとし、事業者・利用者双方を評価できる仕組であれば、タクシーを超えるサービスを期待できると話してくれました。
タクシー会社以外の事業者の参入が認められれば、新事業として取り組む企業が増えることでしょう。
(文責:札幌事務所 横山)
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