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スタッフコラム

2017.10.12|経営

人材育成の課題

昨今、日本は人口減少時代に突入しており、将来、様々な影響が出てくる或いは既に出ていると各種メディアで報じられています。

特にビジネスにおいては、様々な問題として顕在化しています。
・マンパワー不足による事業の縮小
・人材確保の難易度上昇
・人材確保を目的とした賃上げ(労務費増による収益悪化)
・既存人員の業務負荷による退職リスク、労務リスクの上昇 などなど
枚挙にいとまがありません。

こういった状況において、人事面で考えられる打開策としては、「既存人員を育成し、組織としての処理能力を高める」ということが考えられます。

この「人材育成」、育成する側、される側ともに個性を持った人間であるため、その対応は千差万別、十人十色で、決まった形式はありません。

しかし、検討すべき課題、ポイントは存在しており、特に中小企業は、この課題やポイントを意識せず、人材育成をしようとして失敗していることが多いようです。
そこで、今回は、人材育成の主な課題について整理してみたいと思います。

1.目標設定

まず、第1に人材育成の目標設定が挙げられます。
多くの中小企業では、ただ人が足りず、とにかく欠員補充で採用する場合がほとんどです。

 
採用した人材にどのように育ってもらうか、どういう人材になってもらいたいかという目標を設定し、本人に提示する会社はほとんどありません。

 

まずは、経営陣や幹部、マネージャーが部下に対してどのような状態になってほしいかを提示できるようにしましょう。

 

具体的には

  1. 求める能力(獲得すべきスキル、ノウハウ)
  2. 能力の獲得期限(成長時期)
  3. 会社への貢献の形(売上高、生産アウトプット)

を明確にしておきましょう。

2.目標の定量化

目標設定しても、その目標があいまいでは、育成する側、される側で認識のギャップが発生してしまいます。個人の主観によって左右されることがないよう、目標をより具体的な数値で示す必要があります。

 

例えば、「3年以内に“一人前“にする」としたしましょう。このままでは、一人前ってどういう状態??となってしまいます。そのため、この“一人前“をしっかりと定量的に定義する必要があります。

 

具体的には、
一人前=「客先を○○件以上、年間売上○○○百万円」
というようにするとよいでしょう。

 

このように目標を定量化しておけば、個人間の認識ギャップが発生しません。

 

ただし、こういった目標設定は、育成対象者の職種や階層ごとに定義を変える必要があるので注意が必要です。

3.実績評価とフォローの仕組み

育成の目標は設定し、具体化しても、それっきりといった会社が多いのも目にします。

 

せっかく目標設定し、本人と共有しても、現状と対比し、振り返る仕組みがないと育つきっかけがつかめないまま年月が過ぎることになってしまいます。

 

この仕組み(人事評価システム)づくりのポイントとして大まかには、以下3点を検討する必要があります。

  1. 実績の把握(業務の定量的な把握)
  2. 目標と対比、振り返る時期(評価時期)
  3. 上司との目標とのギャップのすり合わせの方法(評価方法)

 

さらに、このフォローの仕組みの中で実績を評価した際、報酬にどのように反映されるかも決められるのであれば、明確に決めておいた方がよいでしょう。

4.評価者側の訓練の必要性

これまで、評価される側に焦点を当ててきましたが、同じく重要なのが、評価される側(上司)についてです。

 

評価者は、最初から全員がマネジメントのプロであったわけではありません。どういった評価項目を設定し、実績を把握し、目標値とずれが生じれば、どうすれば目標とする人材にするには、どのような技術的指導や精神的フォローが必要かを考えなければなりません。そういう意味で言えば、知識だけでなく、それを活用できる一定のマネジメントリテラシーが評価者たる上司には求められます。

5.経営戦略と連動した人事戦略

最後に、これらは大きな“くくり”で言えば、人事戦略ということができるのですが、この人事戦略は、さらに上位概念である経営戦略と紐付きになっておかなくてはなりません。この経営戦略が定まっていない、或いは定まっていても人事戦略と相反している状態では、人材育成など成功するはずがありません。

 

いかがでしょうか。

人材育成において検討すべき主な課題を整理しました。

もしよろしければ、自社の状況と振り返り、ご参考いただければと思います。

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