1.中小企業にとってのITの必要性
世の中のすべての企業は「経営」をするために「経営資源」を上手に活用しています。具体的に経営資源とは「ヒト」、「モノ」、「カネ」、そして「情報」があります。
中小企業は大企業と比較して、経営資源が少ないため、いかに上手く経営資源を活用し、競合他社と差別化するかを考えなければいけません。しかし、近年はインターネットの普及により、誰でもその分野の専門家の意見を見たり、より安い商品・サービスの比較などがすぐにできるようになってきたため、差別化しきれていない中小企業にとっては非常に大きなダメージとなってしまいます。
そんな中小企業が「ヒト」「モノ」「カネ」での真向勝負をしてしまうと、ほとんどの場合、大企業に太刀打ちできないでしょう。
そこで、中小企業が大企業や同業の中小企業などの競合相手に対し、競争優位を保つためのカギとなるのが「情報」になります。
元々競合の大企業がターゲットとしていない(もしくは注力していない)ニッチな市場を、何十年も前から見続けている中小企業のノウハウは何物にも代え難い「経営資源」です。
ただ、これらの経営資源を単なる「勘」や「コツ」などの言葉にできない「暗黙知」のままにしてしまうと急激な環境変化に対応できなかったり、事業の承継時に競争優位を保てなくなったりすることがあります。
これらの事業を続けていく上で、変化する外部環境において経営に再現性を持たせていくためには蓄積した「情報」が必須になります。
また、それらを分析し、活用することで初めて「情報」が目にみえる武器になり、競合他社に対する競争優位の実現に大きく寄与します。
このように、中小企業が競合他社に対し、持続的に競争優位を保っていくためには「情報の蓄積」が必要であり、効率的に情報を蓄積し、効果的な分析をするためには「IT」がほぼ必要不可欠であるといえるのです。
そして、「IT」を活用し、企業の生産性の向上を図ることを「DX」と呼ぶのです。
2.現在の中小企業のDXへの取り組み
2023年版中小企業白書を見ると、2019年自伝では全体の3割以上が「紙や口頭による業務が中心で、デジタル化が図られていない状態」であったのに対し、2022年時点ではおよそ2割にまで減っています。また、2019年時点では「デジタル化による業務効率化やデータ分析に取り組んでいる状態」である企業が2割未満であったのに対し、2022年時点では3割以上になっています。
また、このような流れを受けて、2025年時点では「デジタル化による業務効率化やデータ分析に取り組んでいる状態」にである企業が6割弱まで増え、一方「紙や口頭による業務が中心で、デジタル化が図られていない状態」である企業が1割半ばにまで減る見込みが立っています。
このように、中小企業にとってDXが重要であると叫ばれる中、DXについての取り組みを放置していると大企業はおろか、規模の小さい中小企業に競合負けしてしまうことも考えられます。
以上のことから、今後、中小企業が競争優位を保っていくためにはのITに対する取り組みをしつつ、生産性の向上を図る「DX」が必要になるのです。
3.まとめ
以下が今回のコラムのまとめになります。
●中小企業にとって、「情報」とは、競合と差別化をし、競争優位を築くための重要な経営資源であり、ITを活用することで情報を効果的に活用し、生産性を向上させるという「DX」を実現することができる。
●2023年版中小企業白書において、コロナ以前とコロナ以後で企業のデジタル化に対する意識や取り組みが大きく進捗しており、2025年には全体の半数以上の中小企業が「DX」を実施する見込みである。
ひかり税理士法人では、税理士とタッグを組みながらバックオフィス業務の改善システム化やSFAなどの営業支援システムのご紹介や導入を通じて、中小企業のDXを進めるためのお手伝いをさせていただいております。
「DXが課題である」と感じている法人様はぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
(参考: 2023年版中小企業白書 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2023/PDF/2023gaiyou.pdf)
(文責:DXコンサル部 深野)
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