1.決算申告とは
決算申告とは、企業の1年分の経営成績を決算書にまとめ、税務署に規定金額を納税することです。企業は事業年度終了から2ヶ月以内に決算申告書の作成、3ヶ月以内に決算報告の実施が会社法によって定められています。
決算申告を行う主な目的は、「自社の財務状況を社外に公開する」「国や地方自治体に納める税金の納税額をまとめる」の2つ。決算申告は税務署のために作成するのではなく、会社経営において非常に重要なものです。抜け漏れがないように実施しましょう。
2.決算申告に必要な書類
決算の準備には膨大な時間と手間が必要に。決算期直前に書類の準備を始めると抜け漏れが発生するリスクがあるため、余裕を持って用意を始めると良いでしょう。決算申告に必要な書類についてご紹介します。
法人税申告書
法人税申告書は、所得に対して発生する法人税を算出するための書類です。「別表1~18」までがあり、別表1に該当する書類が「確定申告書」、別表2~18の書類は「明細書」となっています。法人税は会社の規模や売上高によって支払い金額が異なるため、法人税申告書を用いて、どうしてその金額を支払うのかという理由を説明する必要があり、説明の内容を記載するのが別表2~18の「明細書」になります。
決算報告書
決算報告書とは、企業の事業概況や経営状況、年度末の財務状況などを記載した書類です。決算報告書は、預金残高や負債状況をまとめた「貸借対照表」と、事業成果を収入・支出を分けて最終的な利益を算出する「損益計算書」を合算したもの。決算報告書を作成することで株主、金融機関、税務署などに対して自社の経営状況を正しい形で報告することができます。
法人事業概況説明書
法人事業概況説明書とは、税務署が法人の経営状況を把握するために「確定申告書の添付書類」として提出が義務化されている書類です。事業内容をはじめ、従業員数や支店の状況、売上などについて記載し、税務署に提出する必要があります。
3.決算申告の流れ
決算申告を行う目的は「株主への報告」「税務申告」「経営の分析と改善」の3つです。決算申告には膨大な時間と手間がかかるため、入念な準備が必要に。決算申告をスムーズに行えるよう、決算申告の流れについてご紹介します。
①試算表を作成する
決算申告でまず必要になるのが試算表です。試算表とは総勘定元帳から数字を転記して作成するもので、仕訳や転記、計算ミスの有無を確認するために使用します。
試算表は「合計試算表」「残高試算表」「合計残高試算表」の3種類から成り立っているもの。試算表を用いて確認するポイントは、「貸借の合計金額」「総勘定元帳の勘定科目の内容」の2つです。試算表を作成することで、事前に問題を把握・解消することができます。
②決算整理仕訳を行う
決算整理仕訳とは、決算時に最終修正を行うために計上する仕訳のことです。決算整理仕訳の内容として、現物商品の棚卸資産を評価したり、固定資産の減価償却費を計上したりすることが挙げられます。
多くの企業では日々の取引情報を複式簿記に従って仕訳をしているため、定期的に自社の業績や財政状況の把握が可能。しかし、決算では年間の数字を確定させる必要があるため、「決算整理仕訳」を別途に実施することが求められるのです。
③決算書を作成する
決算整理仕訳が完了したら、年間の収支や財政状況をまとめた決算書の作成に移ります。決算書は会社の規模や上場の有無に関係なく、会社法によってすべての企業に作成義務があるのです。法人決算で必要になる主な決算書は以下の通りです。
賃借対照表 | 企業の財政状態を記載した書類 |
株主資本等変動計算書 | 企業の純資産を記載した書類 |
損益計算書 | 企業の経営成績を記載した書類 |
事業報告書 |
事業内容や従業員の状況など経営に関する情報をまとめた書類 |
付属明細書 |
決算書の内容を補足する重要な事項をまとめた書類決算書の内容を補足する重要な事項をまとめた書類 |
④取締役会・株主総会で承認を得る
決算申告は、取締役会・株主総会で承認を得て初めて確定します。法人決算の申告期限は法人税法で定められているため、、決算書の作成を早めに済ませておく必要があるのです。(※1)
少なくとも決算日の2~3ヶ月前には、おおよその着地予測を立て、事業計画を達成できるように対策を行うと良いでしょう。
(※1)国税庁『申告期限の延長の特例の申請』https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_12.htm
⑤税務署に書類を提出、納税する
決算内容が取締役会・株主総会で承認を得たら、所轄の税務署に各書類を提出しましょう。申告書の提出期限と各税金の納付期限は、期末日から2ヶ月以内と定められています。納付が遅れた場合、延滞税が課税されるため注意しましょう。
4.決算申告は納税額を確定するために欠かせないこと
今回は決算申告に必要な書類や納付までの流れについてご説明しました。決算は企業における一年間の収支をまとめ、利益や損失を算出すること。事業規模に関わらず、すべての企業は決算書と税務報告書を作成し、税務署への申告が求められます。決算申告は納税額を確定するために欠かせないことです。決算申告を税理士に依頼することで、プロの経験と知識を駆使して節税対策を行うことも可能に。「税務業務を外部委託したい」「より経営に近い業務に集中したい」とお考えの方は、一度税理士事務所に相談してみるのはいかがでしょうか。
※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。
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