1.予算策定とは
予算策定とは、予算管理の元となる「売上予算」と「経費予算」を策定することです。予算は企業の年間利益目標に基づいて策定し、下記の4項目を指標として取り入れると良いでしょう。
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予算策定を行う時期は企業の決算月によって異なりますが、決算月の半年前から次年度の予算策定が始まることが一般的です。例えば、多くの日本企業は3月決算としているため、この場合前年9月~10月に予算策定が始まります。
2.予算策定を行う目的
予算策定を行う主な目的は、「目標利益の設定」「目標と実績の分析」「経営指標の判断」の3つです。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
目標利益の設定
予算策定を行う目的の一つに、目標利益を設定することが挙げられます。組織が目指す方向性をメンバーに落とし込むためには、具体的な数値を示すことが効果的。年間目標のほか、月間目標も細かく設定することで、目標の形骸化を防ぎ、組織全体の現状を把握できます。
経営指標の判断
経営資源とは人材、情報・物資のことで、企業の競争力の源泉となるものです。組織を成長させるためには、経営資源をバランスよく配分する必要があります。組織の現状を考慮しながら予算策定を行うことで、大幅な損失の発生を防ぎ、経営資源の最適化を実現。日々の売上と経費のバランスを管理することで、経営指標の判断を容易に行うことが可能になります。
3.予算策定のフロー
予算策定のフローは大きく4段階に分けることができます。トップダウン型で予算策定を進めた場合、現場にとって現実的ではない目標になってしまうことも。ここでは予算策定のフローについてご説明します。せっかく作った目標が形骸化しないように、現場の声をしっかりと聞き入れながら予算策定を進めていきましょう。
①経営戦略・目標利益を決める
予算策定を適切に行うために、まずは組織の目標となる経営戦略と目標利益を決めましょう。企業の利益にはさまざまな種類がありますが、予算として用いられるのは「営業利益」「経常利益」のいずれかであることが一般的です。これに次年度の増益分を加味して目標金額を設定します。
②各部署の予算を決める
会社全体の目標利益が確定したら、次は各部署の予算を決めましょう。社内には営業やマーケティングなど売上に直結する部署のほか、経理や人事などのバックオフィス部署もあります。部署によって必要なコストは異なるもの。各部署の特性を理解した上で予算を決めるためには、前年度までの「損益計算書」を参考にすると良いでしょう。
③予算と目標利益を比較・調整する
部署別の予算が確定したら、会社の利益目標と比較・調整をしましょう。各部署の予算を積み立てて全体予算を決める場合、全体の目標利益との間に大きな乖離が生まれることも。こうした事態を避けるために、「余分な予算はないか」「目標利益は実現可能な数字になっているか」といったことを踏まえて調整しましょう。
④予算・目標を組織全体に共有し、計画的に実行する
予算策定をただ行うだけで終わりにするのではなく、社員一人ひとりが目的意識を持って予算達成を目指すことが重要です。予算と実績に差異が生まれた場合、差異分析を行い目標達成の障害となる課題を早めに解消しましょう。
4.予算策定を効率化する方法
予算策定は企業の経営目標に関わるため、手間と時間がかかるものです。毎年行う業務だからこそ「予算策定を効率化したい」と考える方は多いのではないでしょうか。ここでは予算策定を効率化する方法についてご紹介します。
税理士に依頼する
「税理士=税務業務しか依頼できない」という認識をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。税理士に依頼できる業務は、税務業務のほか節税対策や経営コンサルティングなど非常に多岐に渡るもの。予算策定を税理士に依頼することで、税務知識を駆使した予算策定の提案が期待できます。
予算管理システムを導入する
エクセルや紙を使って予算策定を行う方法もありますが、手入力によるミスが発生したり、共有が難しかったりすることも。
予算管理システムを利用することで、各部署の予算をミスなく入力、管理することが可能です。システムの本導入は有料ですが、無料トライアルを設けているシステムもあるため、上手く利用してみましょう。
5.予算策定を正しく行い会社経営を成功させよう
今回は予算策定の目的やフローなどについてご紹介しました。企業経営において大切なのは、安定的に利益を出し続けること。これを実現するためには、利益の目標となる予算策定と、日々の進捗管理が重要になります。予算策定を正しく行うためには、順序に沿って一つひとつの業務をこなしていくほか、その目的と役割を再確認することが重要です。予算策定を正しく行い、会社経営を成功させましょう。
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