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スタッフコラム

京都事務所
2021.03.15|経営

最大450万円の補助金!? IT導入補助金2021徹底解説

 令和3年3月15日にIT導入補助金2021の公募要領が公表されました。前年度と同様にテレワーク環境構築など非対面型ツールの導入については、特別枠として補助額・補助率がアップされる形となっていますので、今回詳しく解説します。

1.IT導入補助金2021類型

 

 IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップにつなげることを目的とする補助金です。

 ソフトウエア購入費用、ソフトウエアにかかるオプション費用、導入支援などの役務費用、ハードウエアのレンタル費用(一部の類型に限る)が補助金対象となります。
 2021年度においてはA~D類型の4種類に分かれており、A・Bが通常枠、C・Dが低感染リスク型ビジネス枠として特別枠となっています。どの類型に該当するかは、ITツールが①「非対面化ツール」、②「クラウド対応ツール」、③「プロセス数」、④「複数プロセス間の情報連携可能なツール」により以下に区分されます。


①非対面化ツール
テレワーク環境の整備をはじめ、非対面又は遠隔でのサービス提供が可能なビジネスモデルへ転換し、労働生産性の向上を目的としたITツールが該当します。従来、出社しないとできなかった業務がITツールを導入することで別場所でも可能になるのであれば、問題はないと考えられます。

 

②クラウド対応ツール
ソフトウエアをインストールするものではなく、インターネットなどネットワークを経由してITサービスを利用するツールが該当します。

 

③プロセス数
顧客対応・販売支援、会計・財務、在庫・物流など7つのプロセスに区分されており、導入するITツールのうち、A類型は1つ、B類型は4つ以上、CおよびD類型は2つ以上のプロセスを満たすことが要件とされています。

 

④複数プロセス間の情報連携可能なツール
異なるプロセス間で情報共有や連携を行うことで労働生産性の向上に寄与するものとして、連携型ソフトウエアとして事務局に登録されたITツールを指します。異なるプロセス間で連携可能であれば、導入するツール数については複数でも要件を満たします。

2.IT導入補助金2021の補助額、補助率、補助対象経費、補助対象外経費について

 IT導入補助金2021の補助額、補助率、補助対象経費は以下のとおりです。特別枠のCおよびD類型については補助率が3分の2と大きくアップします。

類型 補助金額 補助率 補助対象経費
A類型 30万円~150万円未満 2分の1以内 ソフトウエア購入費用、ソフトウエアオプション費用、導入支援などの役務費用
B類型 150万円~450万円以下 2分の1以内 ソフトウエア購入費用、ソフトウエアオプション費用、導入支援などの役務費用
C-1類型 30万円~300万円未満 3分の2以内 ソフトウエア購入費用、ソフトウエアオプション費用、導入支援などの役務費用、ハードウエアレンタル費用
C-2類型 300万円~450万円以下 3分の2以内 ソフトウエア購入費用、ソフトウエアオプション費用、導入支援などの役務費用、ハードウエアレンタル費用
D類型 30万円~150万円以下 3分の2以内 ソフトウエア購入費用、ソフトウエアオプション費用、導入支援などの役務費用、ハードウエアレンタル費用

 

 なお、代表的な補助対象外経費については、以下のとおりです。前年度に引き続き、ホームページ制作費用が対象外となっていることに注意が必要です。

・ソフトウエアの購入において、請求書の発行ソフトなど1つの業務プロセスを幅広くカバーするものではなく、単一の処理を行う機能しか有しないもの
・すでに購入済のソフトウエアに対する追加購入分のライセンス費用
・一般市場に販売されていない一定顧客に限定されたソフトウエア
・組込系ソフトウエア(印刷機に搭載された制御システムなど特定のハード機器を動作させることに特化したシステム)
・大幅なカスタマイズが必要となるもの     

・ホームページ制作、WEBアプリ制作、スマートフォンアプリ制作、VR用コンテンツ制作

・AおよびB類型のみECサイト制作(CおよびD類型は補助対象になります)

3.IT導入補助金2021の補助対象者

 IT導入補助金2021の対象事業者は中小企業者等及び小規模企業者とされ、業種により定義されています。学校法人、医療法人など非営利法人(宗教法人は除く)も従業員の人数を基準として補助対象者になります。

 

【中小企業者等】

連番 業種 定義
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業、情報処理サービス業 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が 300人以下の会社及び個人事業主

卸売業 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が 100人以下の会社及び個人事業主
サービス業(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く) 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人事業主
小売業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数 が50人以下の会社及び個人事業主
旅館業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数 が200人以下の会社及び個人事業主
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工場用ベルト製造業を除く) 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が 900人以下の会社及び個人事業主
その他の業種(上記以外) 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が 300人以下の会社及び個人事業主
医療法人、社会福祉法人、学校法人 常時使用する従業員の数が300人以下の者
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益)、特定非営利活動法人、特別な法律によって設立された組合又はその連合会 上記①~⑦の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者

 

【小規模企業者】

連番 業種 定義
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数が5人以下の会社および個人事業主
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数が20人以下の会社および個人事業主
製造業その他 常時使用する従業員の数が20人以下の会社および個人事業主

4.公募スケジュール、事前準備について

 どのITツールが補助金の対象になるかは、IT導入支援事業者と対象ソフト一覧がまだ発表されていないため、現状では不明です。今後IT導入補助金2021事務局のホームページで公開される予定です。
 なお、補助金申請にあたっては、行政サービスのgbizIDプライムを用いて、マイページを作成し補助金申請を進めていく形となります。gbizIDプライムのID発行は申請から2週間以上時間がかかります。IT導入補助金2021を申請を検討される方は、最優先でID発行を行う必要があります。

 最初の公募は4月上旬予定となっており、その後、例年通りであれば複数回締切があると想定されます。申請にあたって必要な添付書類は以下のとおりです。

 

【法人】
①履歴事項全部証明書(発行から3か月以内のもの)
②税務署の窓口で発行された直近分の法人税の納税証明書(「その1」もしくは「その2」)

 

【個人事業主】
①有効期限内の運転免許証もしくは運転経歴証明書もしくは住民票(発行から3か月以内のもの)
②税務署の窓口で発行された直近分の法人税の納税証明書(「その1」もしくは「その2」)
③税務署が受領した直近分の確定申告書Bの控え

 

弊法人グループでもfreeeやMFクラウドを始めとするクラウド会計ソフトの導入支援業務を積極的に行っています。クラウド会計ソフトは特別枠の補助金申請が可能になると想定しています。IT導入補助金を用いて、クラウド会計ソフトを導入したい方はお気軽にお問い合わせください。

(文責:京都事務所 丸岡)

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