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スタッフコラム

京都事務所
2023.02.20|相続

遺言書は必要なの?!

 遺言書とは、自分が生涯をかけて築き、かつ、守ってきた大切な財産を、最も有効・有意義に活用してもらうために作成する遺言者の意思表示ができる書類です。
 遺言がない場合、故人の遺産の分け方について相続人全員で話し合い、決定します。
この話し合いの際に、全員の合意がないと遺産分割ができないため、親族間で争いが起こることが少なくありません。
遺言は、このようなトラブルを防ぐため、遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続をめぐる争いを防止しようとすることに主たる目的があります。
遺言書には、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」、という3つの種類があります。
「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」とはどのようなものでしょうか。

1.自筆遺言書とは~メリット・デメリット~

 自筆遺言書とは、その名の通り、自筆で作成する遺言書のことです。

遺言者本人が作成した日付、本文、署名を手書きで作成します。

2019年から財産目録の部分についてはパソコンで作成できるようになりました(968条)。さらに2020年7月10日からは法務局における「自筆証書遺言の保管制度」が始まり、作成した自筆証書遺言を法務局で保管してもらえるようになりました。
 しかし、ただ自筆証書遺言を作成して法務局 に預ければよいわけではありません。

遺言書作成には多くの注意点があるため、よく理解したうえで作成しなければ、かえって相続人が困ってしまうからです。

 自筆証書遺言には以下のようなメリット・デメリットがあります。

 

 ●メリット

  誰でも簡単に作成できる

  費用がかからない

  証人が不要

 

 ●デメリット

  第三者による改ざんが行われる可能性がある

  遺言書が発見されない可能性がある

  遺言が無効になる恐れがある

  亡くなってから家庭裁判所での検認が必要

2.公正証書とは~メリット・デメリット

 公正証書遺言とは、公正証書による遺言で、公証人が作成しその原本を公証人が保管するもので、紛失や偽造の心配がなく、確実な証拠となります。

作成の際には、2名以上の証人立会いが必要です。

 公正証書遺言には以下のようなメリット・デメリットがあります

 

 ●メリット

  遺言が無効にならない

  紛失の心配がない

  検認が不要

 

 ●デメリット

  手続に費用がかかる

   証人が2名必要になる 

3.遺言書の必要性~どんな人が必要なの?~

 うちは遺言書なんて必要ない…と油断していると、残された家族や親族同士のトラブルをもたらします。

遺言書作成の必要なケースについてみてみましょう。

 

ケース1~子どもがいない夫婦~

 子供がいれば配偶者と子供が法定相続人になりますが、子供がいない夫婦のどちらか一方が亡くなると、法定相続人は配偶者と被相続人の親が相続し、被相続人の親がすでに亡くなっている場合には配偶者と兄弟姉妹が相続することになります。そのため遺言書を作成していない場合には、二人で築いた財産を被相続人の親又は兄弟姉妹と遺産分割協議をしなければいけないことになります。

 

ケース2~法定相続人以外の人に財産を残したい~

 法定相続人以外の人に遺贈したくても、遺言書がないと遺産の分配はありません。

自分が亡くなった後に、財産を相続人以外に相続させたい場合は遺言書の作成が必須です。
例えば、自分の介護をしてくれている息子の嫁やお世話になっている友人等、法定相続人以外の人に財産を確実に残すことができます。

 

その他にも以下のようなケースが挙げられます。

 ・相続人同士が不仲

 ・主な相続財産が不動産

 ・相続関係が複雑

 ・相続人がいない

 ・特に援助が必要な人がいる

 ・相続人が兄弟姉妹のみ

 ・財産を多く遺したい子供がいる

 ・離婚経験があり、前妻(夫)の子供がいる

 ・事業の承継が心配

4.遺言執行者の必要性

 遺言執行者とは、遺言者に代わって、遺言の内容を実現するために、相続関連の手続きを行う人のことをいいます。遺言内容を実現するためにも、遺言執行者を定めることが重要です。

遺言執行者と相続人が同一人物でも法的には問題ありません。

 しかし、遺言の執行は手続きが複雑で専門的なことがあります。

また、他の相続人と不仲だった場合、無用なトラブルを招く恐れがあります。

利害関係人である親族を選任するより、中立的な第三者である専門家を指定するのが望ましいでしょう。

その場合、法人が遺言執行者になることで、執行者が個人の場合に起こりうるリスク(遺言執行者が先に亡くなったり高齢化等により執行が困難になる等)の心配がありません。ひかりアドバイザーグループの一般社団法人ひかり相続センターにおいて作成する公正証書遺言については、当法人が遺言執行者として業務を行っております。

5.まとめ

 遺言書の必要性はすべての人に当てはまるわけではありません。

一方で、遺言書がなければ、被相続人の意思を示すことができません。

作成する場合は、元気なうちにしかできません。

認知症になってしまったり、判断能力が低下したり、不慮の事故に遭ってしまうなど、遺言書を作成できなくなる可能性も十分に考えられます。

 また、遺言書に不備があって無効になってしまうと、せっかく作成しても意味を成しません。少し手間をかけても確実に有効な遺言書を遺したいなら、「公正証書遺言」がおすすめです。

 当法人では、税金、不動産、法律などの各専門家と連携し、様々な角度から作成のサポートを行っています。

今一度、ご自身の遺言書について考えてみてはいかがでしょうか?

遺言書の作成や遺言執行者のご依頼については、ひかり相続センターに是非ご相談ください。

(文責:京都事務所 梅田)

※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。

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