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スタッフコラム

京都事務所
2025.03.03|会計 経営

中小企業の管理会計はもうExcelだけじゃ限界?システム化で解決!

中小企業における管理会計は、経営判断の精度を高め、企業の成長を支える重要な役割を担っています。
しかし、多くの企業が依然としてExcelを主要なツールとして活用しているのが実情です。私が中小企業診断士として、多くの企業の経営課題に向き合う中で、管理会計の課題は企業規模や業種に関わらずある程度共通していると感じます。本コラムでは、Excelの限界とシステム化のメリット、そして移行に伴う不安の解消について解説します。

1.今、Excelでこんなことをしていませんか?

多くの中小企業では、日常業務でExcelを活用して管理会計を行っています。以下のような作業を日々行っているなら、システム化の余地があるかもしれません。

 

  • 予算管理・予実管理: 予算と実績の差異分析、進捗管理
  • 売上・利益分析: 製品別・顧客別の売上分析、利益率算出
  • コスト・原価管理: コスト配賦、プロジェクト別コスト分析
  • 資金繰り管理: 資金繰り表作成
  • データ集計・加工業務: データ統合・集計、レポート作成

 

これらの作業は、確かにExcelで対応可能です。しかし、経理担当者にとっては日々の手作業が負担となり、経営者にとっては意思決定の迅速化が課題となることが多いのではないでしょうか。

しかし、データ量の増加や複雑な管理が求められると、ミスや非効率のリスクが高まります。

2.なぜ中小企業の管理会計はExcelだけでは限界があるのか?

Excelは直感的で使いやすく、多くの企業で活用されています。しかし、企業規模の拡大や事業の多角化が進む中で、以下の課題が顕著になってきます。

 

  • データの一元管理が難しい: 部門ごとにファイルが乱立し、データの整合性が崩れやすい。
  • リアルタイム性の欠如: 更新作業が手動で、最新データの共有に遅れが生じる。
  • 人的ミスのリスク: 数式エラーや入力ミスが発生しやすく、経営判断を誤るリスクがある。
  • 拡張性の限界: データ量が増えると処理速度が低下し、ファイル破損のリスクも高まる。

 

これらの課題は、経営判断の遅れや誤りに直結します。だからこそ、システム化が求められるのです。また、「2023年版中小企業白書」によると、約60%の中小企業が未だにExcelを中心としたデータ管理を続けており、IT化の遅れが業務効率化の課題として浮き彫りになっています。

3.システム化で得られる3つのメリット

経理担当者の負担軽減だけでなく、経営者にとっても迅速な意思決定をサポートするのがシステム化の真の価値です。

 

  1. データの一元管理で経営判断が速くなる

複数の部署や拠点から収集されたデータを一元管理。リアルタイムで最新情報を把握でき、迅速な経営判断が可能になります。

  1. 作業の自動化で生産性向上

手作業の集計や入力作業を自動化することで人的ミスを削減。定型業務から解放され、より付加価値の高い業務に集中できます。

  1. 経営の質を高めるデータ活用

蓄積したデータを分析し、経営課題の発見や改善施策の立案に活用。勘や経験だけに頼らない、データに基づく意思決定が可能になります。

 

システム化を実現することで、これらのデータを今後の経営における強力な武器とすることができます。

4.システム化に踏み切れない理由とその解決策

Excelからの脱却を考える中で、以下のような不安が障壁となることがあります。それぞれに対して解決策があります。

 

  • 初期コストが心配: システム導入に伴うコスト負担が大きいと感じることが多いです。 しかし、長期的視点では業務効率化による生産性向上やミス削減によって、多くの企業で投資以上の効果が得られています。
  • IT知識が不安: システム運用に必要な知識が不足していると感じることもあると思いますが、 最近のシステムは操作が直感的で、専門的な知識がなくても簡単に使いこなせる設計になっています。
  • 効果が不透明: 導入後にどれだけの効果が得られるのか明確なイメージを持ちづらいことがあります。その場合、小規模な導入から始め、効果を確認しながら段階的に拡大する方法もあります。

 

一般的に、中小企業のIT予算は売上高の1〜3%程度が目安とされています。この投資が将来的なコスト削減と生産性向上につながることを考えると、十分に合理的な判断といえます。

5.脱Excelを考えるべきタイミング

次のような状況に当てはまる場合、システム化の検討を始めるタイミングといえます。

 

  • 売上規模が拡大: 年商3〜5億円以上で、データ量や取引件数が増加している。
  • 従業員数が増加: 社内外の情報共有や管理が複雑化している。
  • 業務の複雑化: 部門別損益管理や複数プロジェクトの同時進行でExcel管理が限界に達している。
  • データ管理の課題が顕在化: 入力ミス、データの不整合、レポート作成の遅延が頻発している。

 

上記の基準に当てはまらずとも、今後の安定した経営に向けて「脱Excelが早すぎる」ということはないでしょう。

 

参考文献

6.まとめ:システム化は経営の武器になる

中小企業が成長を続けるためには、管理会計の効率化とデータ活用が不可欠です。Excelの利便性を超えてシステム化することで、次のような変化が期待できます。

 

  • 経営判断の迅速化: リアルタイムなデータ分析で素早い意思決定が可能に。
  • 業務効率化: 手作業の削減で業務負担を軽減し、付加価値の高い仕事に集中。
  • 柔軟な対応力: 企業成長や環境変化に柔軟に対応できる経営基盤を構築。

 

今こそ、システム化を成長への新たな一歩として前向きに捉えてみましょう。システム化は、企業全体の生産性向上と経営判断のスピードアップを実現する重要なカギとなり、安定した経営基盤の源泉となります。

 

脱Excelを課題としている経営者様、ご担当者様はぜひ一度弊社までご相談くださいませ。

 

 (文責:京都事務所 深野)

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