1.預金口座の会計処理自動化
事業活動に不可欠な預金口座は主に下記の2つの方法で自動化ができます。
①ネットバンクとの連動
会計ソフトとネットバンクの口座を連動させることで、日付や金額、通帳に記帳される取引内容を自動で会計ソフトに落とし込むことができる機能です。
連動後は勘定科目を入力するだけで仕訳が完了します。
また、多くの会計ソフトには学習機能があり、例えば『○○電力=水道光熱費』などの学習設定を行えば、次回以降は勘定科目まで自動で入力されます。
設定を行うほどに次回の会計処理が楽になります。
ネットバンキングの使用が前提なので、金融機関ごとに利用手数料が発生してしまうのがネックです。
②AI-OCR機能による自動化
AI-OCRとは、PDFデータや写真等の画像の文字列をAIが読み取りテキストに起こす技術を指します。
最近の会計ソフトの中にはこの機能を備えているものがあり、紙の通帳を読み込ませることで、日付や金額などを自動で仕訳に変換することができます。
注意が必要なのは、読み取り精度が100%ではない為、ある程度確認が必要な点です。特に手書きの文字は正しく識別されないケースがあります。(数字の0が6だったり9だったり…)
また、会計ソフトによってはこの機能が従量課金制のケースや、契約しているソフトのプラン(グレード)によって制限のあるケースもございます。
2.クレジットカードの自動化
自動化手段としては、預金口座と同様に、
●クレジットカード情報との連動
●AI-OCRによる自動化(紙の請求書から自動化)
この2つがメインになります。
クレジットカードの自動化の場合、消費税処理について注意しなければならないケースが多くございます。
自動化した際にはカードで支払った総額が仕訳に起こされるため、消費税処理の関係上、従来の会計処理でいうところの2行に分けなければならない仕訳は、修正や個別の設定が必要になります。
例
・軽油を給油した際の軽油税
・コンビニで軽減税率対象品や印紙を購入した取引
・ゴルフ接待時のゴルフ利用税
など
3.給与仕訳の自動化
①会計ソフトと同社の給与ソフトを使用している場合
最近は給与計算も含めてワンストップで機能を提供している会計ソフトが増えています。
その場合には給与計算結果を自動で仕訳に反映させるよう設定が可能なケースがほとんどです。
給与計算ソフトは既に別で使用しているものがある場合でも、効率化という点で給与計算ソフトを会計に合わせるのも選択肢かもしれません。
②外部ソフトの連動
対応種類としては多くない心象ですが、会計ソフトの中には外部ソフトとの連携が可能なものもございます。
4.最後に
自動化の機能は必ずしも万能ではございません。
それでも、機能を活用すれば、全ての取引を手入力していた頃に比べると大きく作業時間を短縮できるものと思料します。
バックオフィス業務の効率化の為にも、
従来の会計業務モデルの見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
(文責:札幌事務所 青山)
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