1.ネット銀行のメリット
①振込手数料が安い
都市銀行や信用金庫に比べて振込手数料が安いです。特に振込先が多い法人からすると、1件当たり数百円の差額とはいえ、件数・年数が積み重なると相当なコスト差額となってきます。
・法人の振込手数料比較
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Paypay銀行 |
住信SBIネット銀行 |
楽天銀行 |
GMOあおぞらネット銀行 |
京都信用金庫 |
三菱UFJ銀行 |
同行宛 |
55円 |
無料 |
52円 |
無料 |
無料 |
110円or 330円 |
他行3万円以下 |
160円 |
145円 |
150円 |
145円 |
380円 |
494円 |
他行3万円以上 |
160円 |
145円 |
229円 |
145円 |
550円 |
660円 |
②ネットバンキングの利用料が無料
都市銀行や信用金庫で、インターネットバンキングシステムを利用しようとすると、月1,000円を超える口座維持手数料が発生します。参考として三菱UFJ銀行では、月額1,760円、京都信用金庫では月額1,100円かかってきます。さらに、インターネットバンキングの利用システムを増やそうとすると、その分口座維持手数料は増加します。一方、ネットバンキングでは毎月の口座維持手数料は必要ありません。
③インターネット上で手続がすべて完結する。
口座開設から振込・決済などの手続きをインターネット上ですべて完結することができます。また、資金移動は原則24時間365日対応しており、忙しくて銀行に行く時間が取れない方にはメリットが大きいといえます。
④デビットカード利用でのキャッシュバックなどが豊富
ネット銀行で口座開設すると、無料でデビットカードも作成できます。利用額を口座から即時に直接引き落とすため、資金管理に役立つデビットカードですが、楽天銀行やGMOあおぞらネット銀行では原則、利用額の1%がキャッシュバックされます。また、住信SBIネット銀行では利用額の0.6%(VISA)若しくは0.8%(MASTER)のポイントがたまり、1ポイント=1円の価値で現金に交換可能です。
2.ネット銀行のデメリット
①社会保険料の口座振替・支払いができない
都市銀行・信用金庫では当たり前にできる社会保険料の引き落としがほとんどのネット銀行ではできません。Pay-easy(ペイジー)のシステムを使って社会保険料の支払いができる銀行を含めても、以下の銀行に限られます。
口座振替対応銀行 |
Pay-easy対応銀行 |
イオン銀行 |
楽天銀行 |
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Paypay銀行 |
②公共料金の口座振替が一部できない
水道代など一部の公共料金の口座振替がネット銀行ではできません。
③税金の引き落とし・支払いができない
事前に引き落とし口座を登録して税金を引き落としするダイレクト納付・振替納税ができるネット銀行はありません。
また、Pay-easy(ペイジー)のシステムを使って税金の支払ができるネット銀行は楽天銀行・Paypay銀行に限られます。なお、2023年を目処にGMOあおぞらネット銀行がPay-eazy対応予定です。
④実店舗がない
ネット銀行のため実店舗がありません。そのため、融資等事業上の相談が十分にできません。特に法人では実店舗が無いということは、事業を拡大していく観点からは大きなデメリットといえます。
⑤ID・パスワード管理
利用するためには、必ずID・パスワードが必要となります。ID・パスワードは自己管理となるため、忘れた場合や入力を複数回間違えてアカウントロックがかかってしまった場合は、自ら再発行の手続を行う必要があり時間がかかってしまいます。
3.まとめ
ネット銀行は効率化・コスト削減という観点からは、利用価値が非常に高いですが、全てをネット銀行にまとめてしまうと、事業上不都合が生じてきます。法人・個人事業主の事業を円滑に運営していくには、 地方銀行・信用金庫などネット銀行と両方を利用していくことがベストな選択肢となります。
(文責:丸岡)
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