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HAGレポート
2015年3月号

ひかりアドバイザーグループでは、隔月でニュースレター「HAGレポート」を発行し、関与先様へお届けしています。
HAGレポートは、Web版もご用意しております。

※掲載情報は掲載当時の税制等に基づいたものです。

話題のトマ・ピケティ氏を読む

フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏の著書「21世紀の資本」が話題になっています。経済書としては異例の売れ⾏きとのことですが、⽇本語版は600⾴を超える⼤部の専⾨書でして、⼩⽣も昨年末に購⼊して正⽉休みに読破を試みたものの、残念ながら未だ8合⽬辺りというのが正直なところです。

頂上に達することなく結論を書いてはいけないのですが、あえて言えば、この書物は経済書であると同時に税制に対する提言書であると言うことができます。ここで、本書を読み解くポイントを3つほど挙げておきます。

まず、歴史的な納税データを丁寧に渉猟して、難解な数学を用いることなく、単純な算数で資本と格差の歴史を語っています。次にこのデータから「r(資本収益率)>g(経済成⻑率)」がゆえに格差が拡⼤したこと、つまり資産から得られる収益率が経済成⻑率を、上回る結果、資産を持つ者がより豊かになって、この格差はさらに拡大する傾向にあると説明しています。そして、政策提言として、格差是正のために資産への累進課税を提唱していることが3つ⽬のポイントです。

しかし、資産に対する累進的な課税が格差是正に有効であるかどうかは疑問です。なぜなら、税制に関しては再分配の議論は避けて通れないからです。この点、英国元⾸相のサッチャー⼥史は、「⾦持ちを貧乏にしたところで、貧乏⼈が⾦持ちになるわけではない」と看破し、あえて所得税の最⾼税率を引き下げました。彼⼥は格差是正を、税による再分配よりも⾃助努⼒と⾃⼰責任に求めたのです。こうした姿勢が「鉄の⼥」との異名を取る所以なのかも知れませんが…。

それはともかく、本当に「r>g」が格差の原因であるとするならば、g(経済成⻑率)を⾼める努⼒こそが必要だと考えます。

北陸新幹線は⻄へ、そして京都へ

北陸新幹線が⾦沢まで開業しました。JRのポスターには、「新幹線が春を連れて、やってくる」とありますが、春は関⻄からではなく、間違いなく東京からやってきます。

時刻表によれば、北陸新幹線の最速列⾞は⾦沢-東京間を2時間28分で結び、従来より1時間19分も短縮されました。⼀⽅、在来線特急による⾦沢-⼤阪間は最短でも2時間31分を要することから、所要時間だけで比較すれば、北陸圏における関⻄圏の優位性は失われたといってもよいでしょう。こうして東京一極集中はますます加速していきます。

ところで、北陸新幹線の⾦沢以⻄延伸については、2020年度に福井、2022年度に敦賀までが予定されているものの、敦賀以⻄については⽩紙の状態です。こうした状況にもかかわらず、関⻄の⾃治体や経済界の動きは緩慢で、敦賀以⻄についてはルートすら決められていません。候補としては、下図に示すように米原、湖⻄、⼩浜の3ルートに絞られていますが、いずれも⼀⻑⼀短があり決め⼿に⽋けるようです。

距離的に最も有利な⽶原ルートも災害時における東海道新幹線のバイパス機能を担うという意味では併用区間が多く残る点が課題ですし、日本海側を迂回する小浜ルートでは距離的に不利であると同時に投資額でもハンディを負います。結局、消去法で湖⻄ルートが残るわけですが、そうなると京都が重要な結節点になります。


リニア新幹線の京都駅経由をめぐる議論もさることながら、北陸新幹線の湖⻄ルートを主張して京都のプレゼンスを⾼め、関⻄圏と北陸圏との繋がりを強固にすることは京都の官⺠にとっても有効な戦略ではないかと思います。

北陸新幹線は⻄へ、そして京都へ

今年の税制改正ですが、去る2⽉17⽇に「所得税法等の⼀部を改正する法律案」が国会に上程されたものの、政治とカネをめぐる議論に時間が費やされて審議が捗らない中、野党⺠主党からは「格差是正及び経済成⻑のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案」という対案が提出されています。

そこには、約束破りと経済失政による消費税引き上げの延期はけしからんに始まり、法⼈税率の引き下げ反対、消費税の逆進性対策としての税の払い戻し(給付⾦?)の導入推進、さらには格差是正のために個人所得課税や資産課税の改革が必要と主張しています。

この資産課税の改革とは、即ち富裕層に対する課税強化ということですから、前述のトマ・ピケティ氏の主張とも一脈通じるところがありそうです。残念ながら否決される法案ですが、⺠主党の政策を知る資料として⼀読の価値はあります。ご関⼼のある⽅は⺠主党のホームページをご覧ください。

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⾼額療養費制度の改正について

⾼額療養費制度とは

⾼額療養費とは、同⼀の⽉内にかかった医療費の自己負担額が著しく高額になった場合、一定の⾦額(⾃⼰負担限度額)を超えた分があとで払い戻される制度で、⼊院や⼿術で治療費が高額になった場合に活用できます。

⾃⼰負担限度額は、所得区分に応じて段階的に設定されており、所得が⾼い⼈ほどその限度額も高く設定されています。

今回の改正内容

今回の改正により、70歳未満の⾃⼰負担限度額の設定が「5段階」になりました。
(※70歳以上の⽅は変更ありません)

標準報酬月額 自己負担限度額
83万円以上 252,600円+(医療費-842,000円)×1%
53~79万円 167,400円+(医療費-558,000円)×1%
28~50万円 80,100+(医療費-267,000円)×1%

26万円以下

57,600万円

住民税非課税対象者 35,400円

例えば、標準報酬⽉額50万円の⼈で、1⽉に医療費が100万円(うち⾃⼰負担額30万円)かかった場合、その⾃⼰負担限度額は、

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自己負担額は世帯合算できます

同一の月内に、世帯で複数の方が病気やケガをして医療機関で受診した場合や、本⼈が複数の医療機関で受診したり、ひとつの医療機関で入院と外来で受診した場合は、その自己負担額は世帯で合算することができます。

そして、その合算した額が自己負担額を超えた場合に、その超えた額が払い戻されます。(ここでいう世帯とは、同⼀の医療保険に加⼊している被保険者の被扶養者です。)

自己負担額の基準


【70歳未満の場合】
◎医療機関ごとに計算します。同じ医療機関であっても、医科⼊院・医科外来・⻭科⼊院・⻭科外来に分けて計算します。
◎医療機関から交付された処⽅せんによって薬局で支払った自己負担額は、処方せんを交付した医療機関に含めて計算します。

合算対象の自己負担額の基準

70歳未満 = 自己負担額が21,000円以上のもの

また、⾼額療養費として払い戻しを受けた⽉数が、1年間(直近12ヶ⽉間)で3⽉以上であった場合、4⽉⽬からの⾃⼰負担限度額がさらに引き下げられます。(⾼額療養費多数回該当)

医療費が⾼額になりうる場合

70歳未満の⽅で、医療費が⾼額になることが事前に分かっている場合には、「限度額適⽤認定証」を提⽰する⽅法が便利です。

健康保険組合、協会けんぽ、または市町村(国⺠健康保険・後期⾼齢者医療制度など)から限度額適⽤認定証の交付を事前に受け、病院の窓
口で保険証と共に提示すると、窓口での支払が⾃⼰負担限度額までとなります。

いざという時に負担を軽減させる為に、このような制度を上⼿に使って下さい。

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労働契約に関するルールについて

平成27年4⽉1⽇から、労働契約法ならびにパートタイム労働法の⼀部が改正されます。
就業形態の多様化により、非正規雇用労働者の数も雇用者全体の約40%と推計され、その雇用管理に悩まれている経営者の⽅も多いのではないでしょうか? 以下、今回の改正に際し、経営者の皆様に知っておいていただきたいポイントをご紹介いたします。

無期労働契約への転換ルール(原則)

無期労働契約への転換(無期転換申込み権)有期労働契約が5年を超えて反復更新された
場合、労働者の申込みにより無期労働契約に転換します。(労働契約法第18条)

有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合、労働者の申込みにより無期労働契約に転換します。(労働契約法第18条)

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※通算契約期間のカウントは、平成25年4⽉1⽇以後に開始する有期労働契約が対象
※契約期間が6ヶ月以上空いた場合、空白期間より前の有期労働契約は通算契約期間に含まない

今回の改正内容(特例)

以下①・②の者について原則5年の無期労働契約への転換ルールに特例を設け、それぞれ次の期間は無期転換申込権が発生しません。

①5年を超える⼀定の期間内に完了することが予定されている業務に従事する⾼度な専⾨的知識・技術・経験を持つ有期雇⽤労働者【期間】その予定されている業務に就く期間(上限10年)

②定年後、同⼀事業主に継続雇⽤される⾼齢者【期間】定年後に引き続き雇⽤されている期間

※なお、この特例を適⽤するために事業主は、対象労働者に応じた適切な雇⽤管理の措置に関する計画について、厚生労働大臣から認定を受けることが必要です。

雇止めについて

有期労働契約で働く約3割が、通算5年を超えて繰り返し労働契約を更新している実態にある現在、無期労働契約への転換ルールの導入により、雇止めの増加も問題となっています。

雇止めの予告

使⽤者は有期労働契約を更新しない場合には、少なくとも契約が満了する⽇の30⽇前までに、その予告をしなければなりません。(予めその契約更新しない旨が明⽰されている場合を除く)

※雇止めの予告の対象となる有期労働契約

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有期労働契約の途中解雇

『やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。』とし、期間の定めのない労働契約の解雇よりも厳しい要件を課しています。(労働契約法第17条第1項)

まとめ

今回ご紹介した雇止め、有期労働契約期間中の解雇の問題は近年、増加しており、トラブル防⽌を図る基準が設けられています。経営者の皆様は、従業員の⽅との良好な雇⽤関係を維持していく上で、この機会に雇⽤管理を⾒直し、ご留意いただければと思います。ご不明点などございましたら、ひかり社会保険労務士法人までご相談ください。

「どうしよう?」にお答えします!Q&Aコーナー

Q1. マイナンバー制度とは?いつから始まるの?

A1. マイナンバー制度は、全国⺠に”個⼈番号”と呼ばれる番号を付し、⾏政が税・社会保障関連の個⼈情報を集約する際、”⾏政側”の効率化をはかる制度です。個⼈情報の集約が容易になることで、

  1. ⾏政の経費削減
  2. 国⺠の所得申告の簡略化・精度向上
  3. 公的サービスの不正受給防⽌ といった効果が期待されています。

◎平成27年10⽉より国⺠へ通知カードが郵送され、平成28年1⽉に制度がスタートします。

 

Q2. 標準賞与額に関する改正

A2.平成28年1⽉以降の、税・社会保険関係事務に個⼈番号の記載が求められます。例えば、

  • 社会保険加入の届出
  • 給与の源泉徴収票
  • 報酬・地代などの支払調書

などです。
※記載する個人番号については、基本的には通知カードで確認することとなります。

Q3. 個人番号の取り扱いで気をつけることは?

A3.重要な点は、以下の二点です。
①個人番号を入手する際に本人確認が必要
相⼿が従業員の場合など、本⼈であることが確実であれば不要です。
報酬や地代の支払時には、少なくとも初回に本人確認が必要となります。

②個⼈番号の流出を防ぐための措置が必要
例えば、間仕切り等の設置、のぞき⾒防⽌のための座席配置の⼯夫、鍵付き
キャビネットへの書類保管等です。

チョットお邪魔します。人気のお店訪問

今回ご紹介するのは、麩屋町三条の交差点を上がって東側に店舗を構えておられるギャラリー「Gallery Nisui(ギャラリー而水)」 にすいさんです。

而水さんでは、「食の器(うつ にすいわ)」をテーマに様々な作家の作品を展示販売されています。社⻑が⼀点⼀点⽬利きをし、日常を美しく・楽しく・美味しく彩る器を取り揃えておられます。そのコレクションは小さな箸置きから大皿まで幅広く、時がたつのも忘れて鑑賞してしまいます。

永く愛着の持てる作品との出会いがあるはずですので、是⾮お⽴ち寄り頂き、ご⾃⾝の⽬で納得のいく器を⾒つけて下さい。

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