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イスラエル紀行(3)-「知」について考える~週刊ひかり vol.27

2019.10.07 経営

 人口902.2万人、面積2.2万㎢、GDP3,656億ドル、GDP成長率3.6% 、一人当たりGDP4.1万ドル、失業率4.2%、インフレ率0.9%、などなど。
 これらは在イスラエル日本国大使館の書記官からヒアリングした2019年4月時点でのイスラエルの国情と主要経済指標です。経済指標をトレンドで見ると、GDP成長率はリーマンショック時に落ち込んだものの、それ以後はほぼ横ばい、失業率は年々低下しており、また、経常収支は改善傾向にあるとのことでした。
 ところで、人口900万人といえば、ほぼ神奈川県に近い数字ですし、面積2.2万㎢は四国よりやや広く、岩手県と宮城県を合わせた面積に匹敵します。一方、一人当たりGDPは日本の約3.9万ドルを超えています。国土の過半が荒涼たる原野に覆われ、水源を含む天然資源も乏しく、ましてや周辺諸国とは必ずしも友好的な関係にはありませんから、国土や国家を取り巻く環境は決して楽観できる状況にはありません。そのような状況下で日本以上の一人当たりGDPを達成している理由はどこにあるのでしょうか。
 その最大の理由として、厳しい環境のもとで生き残るための「知恵」の醸成に注力している点を挙げることができます。具体的には、科学技術立国を目指して企業と人材の育成を優先課題としてきたことであり、それを後押ししているのが東ヨーロッパ、とりわけ旧ソ連からの多数の知識人や技術者の移民の存在であることを見逃すことができません。彼らをはじめとするインテリ層が先頭に立ち、「知」によって国家を経営するという姿勢は、イスラエルと同様に資源に乏しい我が国も学ぶべきではないでしょうか。そのためには、われわれ会計士や税理士という「知」に近いところで仕事をしている者が貢献できることは何だろうかと思いながら、地中海に沈む夕日を暫し眺めていたのでした。

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