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私たちは昔から知っていた-航空会社のサービスに学ぶ~週刊ひかり vol.11

2019.06.10 経営

 みなさんは移動時間を無駄で退屈な時間だと思っていませんか。スマホ歩きをし、エスカレーターを駆け上がった経験は誰にでもあると思いますし、バスや電車の乗客も車窓から景色を眺めている人は珍しく、ほとんどがスマホに目を落としています。つまり、移動時間を無駄で退屈だと思うから、その時間を有意義な時間に置き換えているのです。
 東京-新大阪間の所要時間は、新幹線で約2時間半、空港への移動時間や待ち時間を含めれば航空機もほば同じです。そうだとすれば、搭乗手続きや手荷物検査のない新幹線の方が有利なはずですが、航空機も健闘しています。早割などの価格設定も一役買っていますが、「飛行機は乗っている時間が短いし、コーヒーもサービスしてくれるし、なによりCAさんの対応に癒される」というコメントがすべてを物語っています。また、人が同じ姿勢で耐えられる時間は2時間程度といわれています。確かに、映画も2時間前後ですし、私たちが主催するセミナーも2時間を越える場合には必ず休憩が必要になります。そういえば大学の講義も90分でした。
 ところが、しのぎを削るJRと航空会社の間では「4時間の壁」という経験則があって、新幹線の乗車時間が4時間を超えると航空機のシェアが上がり、逆に新幹線が4時間を切れば航空機のシェアを奪える、というわけです。この経験則が、北海道新幹線の東京-新函館北斗間で3時間58分を実現させる原動力となりました。しかし、交通サービスの顧客満足度は所要時間の短縮だけで向上するのでしょうか。移動時間を無駄で退屈と思い、そして同じ姿勢で耐えられる時間が2時間とするならば、その時間を車内あるいは機内で快適に過ごしてもらう工夫こそが求められるはずです。この点、航空会社はドリンクサービスや機内販売の充実、無料のWiFiや機内エンターテイメントなどを積極的に提供しています。JRがコスト削減を理由に車内販売や車内エンターテイメントを廃止し、特定の区間しかWiFiを繋げないといった対応に終始しているのとは対照的です。つまり、航空会社は昔から知っていたのです、移動が退屈だということを…
 さて、私たち税理士・会計士にとって顧客満足度の向上のために取り組むべきことは何でしょうか。それは、決して安易なコストダウンに陥ることなく、常に顧客に寄り添い、顧客と課題を共有して、その解決に努めることにほかなりません。私たちは昔から知っていたのです、価格よりも品質こそが大切であることを…

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