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一時的に収入が増えた方! 「平均課税制度」の検討を忘れていませんか?

2019.02.08 節税

スポーツ選手として大きく活躍したとき、作曲家さんや漫画家さんなどがヒット作を世に生み出したときなど、一時的に収入が増えることがあります。また、不動産のオーナーさんにとっては、契約期間の更新時期になると、更新料などが多額に入ってくることもあるかと思います。 

そんな時、「今年はたくさん収入が入ったけど、その分たくさん税金を払わないといけない」と思われる方がほとんどだと思います。 

たしかに、日本の税金は所得に応じて決まります。所得税の税率は、所得の金額が多くなるほど税率が高くなる超過累進税率(低所得者の税負担は軽く、高所得者ほど多く税金を負担)が採用されていますので、この税率で単純に計算すると、収入が一時的に増えた方は、その年の税金の負担が大きくなります。 

ところが、ここで朗報です。 

一時的に収入が増えた方、収入の変動が激しい方にとって、税金の負担を軽減できる、「平均課税制度」という制度があるのはご存知でしょうか。 

もちろん利用できる方には、条件があります。 

 

今回は、事業主の皆様が知っておきたい、①平均課税制度の概要、②適用条件、どのような方が利用できるのか、③計算方法、メリット、④手続方法、についてご紹介します。

平均課税制度の概要

平均課税制度とは、臨時的に収入が増えた方や年によって収入の変動が激しい方に対する税金を緩和する制度のことで、通常の超過累進税率よりも低い税率を適用して税額を計算できる制度です。ただし、平均課税制度を適用するには、次の条件を満たす必要があります。

適用できる条件、どのような方が利用できる?

平均課税制度を適用するには、次の2つの条件を満たす必要があります。 

 

『Ⅰ:事業所得・不動産所得・雑所得に区分されるもので、変動所得か臨時所得である』 

「変動所得」 

・漁獲やのりの採取による所得 

・はまち、まだい、ひらめ、かき、うなぎ、ほたて貝、真珠、真珠貝の養殖による所得 

・原稿、作曲の報酬による所得 

・著作権の使用料による所得 

 

「臨時所得」 

・プロ野球選手やサッカー選手などが一時に受ける契約金(3年以上の期間契約を結び、その金額が年額報酬の2年分以上であるもの) 

・土地や建物などの不動産(更新料、礼金、返還不要の敷金)、借地権、特許権、実用新案権などで一時にうける権利金や頭金(3年以上の期間契約を結び、その金額が年額報酬の2年分以上であるもの。ただし、譲渡所得になるものは除く) 

・公共事業の施工などに伴い事業を休業、廃業することにより、受ける補償金(3年以上の期間分の事業所得の補償として受け取る補償金) 

・鉱害その他の災害により事業などに使用している資産について損害を受けた補償金(3年以上の期間分の事業所得の補償として受け取る補償金) 

 

『Ⅱ:所得金額』 

・その年の変動所得と臨時所得の合計額が、その年の総所得金額の20%以上である 

こと 

  ・前々年、前年に変動所得がなかった方、もしくは前々年、前年に変動所得があった 

た方は、その年の変動所得が前年・前々年の平均を超えること

計算方法、メリットについて

平均課税制度が適用できると、通常の超過累進税率よりも低い税率を適用して税額を計算できます。計算方法は、まず、臨時的に受け取った契約金や更新料について、その5分の1(20%)の金額を算出します。次に、その算出した金額に超過累進税率をあてはめて乗じた金額を5倍することで税額を計算します。(所得税法第90条1項) 

結果的には、低い税率で税額を計算できるため、所得税負担が少なくてすむというわけです。 

それでは、受け取った収入について、平均課税制度を適用した場合、税金の金額はどのくらい変わるのでしょう? 

文章だけでは中々理解が難しいので、ここでは簡単な具体例を一つ挙げます。 

(例)前年に変動所得がなく、今年に変動所得が1000万円発生したケース 

【平均課税制度を利用しなかった場合】下記、所得税の速算表を参考 

10,000,000円×33%-1,536,000円=1,764,000円 所得税の納税額1,764,000円 

【平均課税制度を利用した場合】 

10,000,000円×20%=2,000,000円 

(2,000,000円×10%-97,500円)×5=512,500円 所得税の納税額512,500円 

 

 上記のように、適用する場合としない場合とでは納税額が約1,200,000円変わることになります。 

  

(参考) 超過累進税率 所得税の速算表‐国税庁  

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm 

手続方法について

平均課税制度を利用するにあたっては、確定申告書にその旨を記載するとともに、「変動所得、臨時所得の平均課税の計算書」を添付する必要があります。 

最後に、ここでは平均課税制度の簡単な事例のみを挙げさせていただきましたが、実際利用するにあたっては、前年にも所得があったり、他の所得もあったり、とさまざまなケースが想定されます。 

ですので、自分の所得が平均課税制度を利用できるのか判断に迷ったとき、計算方法や手続方法について詳しくお知りになりたいときは、一度税務署もしくはひかり税理士法人にご相談下さい。 

(参考) 変動所得・臨時所得の平均課税‐国税庁 

https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/46292/faq/46327/index.php

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